注目の声優を解説【声優業界トレンド】2023年春発表!「第17回声優アワード」
ここ数年の声優ブームは留まるところを知らず、「推し活」ブームも相まって、人気声優やアニメキャラクターを活用したプロモーションを頻繁に見かけるようになりました。
声優を職業とする「声優人口」も急増する中(1万人以上と言われています)、声優業界のトレンドを知るひとつの指標となっているのが、「声優アワード」です。
今回は、2023年3月に発表されたの最新の「声優アワード」受賞声優について解説します。
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「声優アワード」の新たな展開 ~ ジェンダーフリーへ
「声優アワード」とは、その年度に「最も印象に残る」声優や作品を対象に、その業績を称える、本格的な「声優」を対象とするアワードで、文化放送のほか、日本音声製作者連盟、KADOKAWA、小学館、小学館集英社プロダクションがアニメ業界各社と協力し創設された賞です。
2006年に創設された歴史ある賞ですが、17回目となる今回から、授賞部門の名称が変更するという大きな変化がありました。
これまで「男女別」だった、主演、助演、新人の各賞を、男女の区別をなくし、新たに「主演声優賞」、「助演声優賞」、「新人声優賞」としました。
これは、「多様性の尊重」、「ジェンダーフリー」を鑑みた結果で、声優アワード実行委員会は「もとより、声優という仕事は、女性が男性キャラクターの声を担当したり、またその逆もありゆる等、ジェンダーを飛躍した仕事でもある。これにより、声優の賞であるということによりフォーカスでき、賞の意図が明確に伝わりやすくなると考える。賞の目的である『声優の認知』が広がり、声優の地位向上に寄与できることを考慮し、今回の変更に至った」と説明しました。
受賞者および受賞作品
「第17回声優アワード」受賞者および受賞作品はこちらです。
主演声優賞は、安済 知佳さん、江口 拓也さん、種﨑 敦美さんの3名です。
安済 知佳さんは、『リコリス・リコイル』では錦木千束を担当。セリフの緩急を駆使した独特の演技で、リアリティのあるキャラクター像を構築、その深い表現力は、視聴者から多くの賞賛を集めました。このほか『大正処女御伽話』の渥美綾、『さんかく窓の外側は夜』の非浦英莉可なども演じています。
江口拓也さんは、『SPY×FAMILY』のロイド・フォージャー役では、仮の家族に振り回されながら、徐々に芽生える父性を丁寧に表現。クールなだけではない、人間味あふれる魅力的なキャラクターを作り上げました。このほか、『週末のハーレム』の火野恭司、『ヴィジュアルプリズン』のサガ・ラトゥール、『MUTEKING THE Dancing HERO』のDJなども演じています。
江口さんは、ファンが選ぶ最も活躍した声優「MVS」賞も同時受賞しました。
種﨑敦美さんは、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』では主人公のダイを担当。約30年ぶりの再アニメ化、大作を最後まで描き切るという様々なプレッシャーの中、最後までエネルギッシュに演じ切りました。このほか『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』のエンポリオ・アルニーニョ、『鬼滅の刃』の雛鶴、『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャーなども演じています。
種﨑さんは、助演声優賞も同時受賞しました。
新人声優賞は、原則として声優としてデビュー5年以内、対象期間中に「新人賞」を取るにふさわしい、特に目立った活躍をし、今後さらに活躍が期待される声優に贈られる賞です。
梅田 修一朗さん、直田 姫奈さん、永瀬 アンナさん、日向 未南さん、若山 詩音さんの5名が受賞しました。
梅田修一朗さんは、『魔法使い黎明期』の主人公・セービルを担当。感情の起伏が乏しいという超難役ですが、抑揚の少ないセリフの中に感情の変化を乗せる繊細な芝居で見事にキャラクターを演じ切りました。2018年『Readyyy!』の高千穂亜樹役でデビューし、『可愛いだけじゃない式守さん』の和泉くん、『シャドーハウス』のヴィリヤムなども演じています。
直田姫奈さんは、『その着せ替え人形は恋をする』でヒロインの喜多川海夢を担当。コロコロ変化する海夢の感情を、絶妙なテンポ感で表現。エネルギッシュでみずみずしい演技に注目が集まる若手声優の一人です。2018年『消滅都市2』のハルカ役でデビュー。『BanG Dream!』シリーズの桐ヶ谷透子、『よふかしのうた』のユラなども演じています。
永瀬アンナさんは、『サマータイムレンダ』で小舟潮役を担当。初ヒロインの大役に臆する事なく、爽やかさと落ち着きを兼ね備えた声で伸び伸びと演じ切りました。2021年『爆丸アーマードアライアンス』のオリバー役でデビュー。『ユーレイデコ』のハック、『アオアシ』のジュニアユース生なども演じています。
日向未南さんは、『王様ランキング』ボッジ役で初の主演を務めました。発している言葉はほとんどないにも関わらず、感情の動きと純粋さがしっかり伝わる演技で、視聴者の心を揺さぶりました。2020年『妖怪ウォッチJam 妖怪学園Y~Nとの遭遇~』の清田テツ役他でデビュー。『賢者の弟子を名乗る賢者』のルミナリア、『メガトン級ムサシ』の日下部早紀/茅野佳子なども演じています。
若山詩音さんは、『リコリス・リコイル』で井之上たきなを担当。生真面目な少女の心が徐々に解けて行く過程を表情豊かな声の芝居で表現。キャラクターの魅力を存分に引き出しました。2019年頃から本格的に声優活動を開始。『takt op. Destiny』の運命/コゼット・シュナイダー、『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』の川合麻依なども演じています。
現在は、「子供向けのアニメ番組数」を「大人向けのアニメ番組数」が上回る時代、『SPY×FAMILY』、『ドラゴンクエスト』、『鬼滅の刃』以外、ピンとくる作品名が少ないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、アニメ・ゲーム・声優ファン、Z世代には有名な作品ばかりです。
詳しい写真付き受賞者・受賞作品はこちら⇒ https://www.seiyuawards.jp/
テレビアニメ『やくならマグカップも』が光を当てた、多治見市と美濃焼
最後に、特別賞を受賞した『やくならマグカップも』をご紹介します。
『やくならマグカップも』は、岐阜県多治見市が舞台で、伝統工芸品・岐阜県多治見市がテーマのフリーコミックが原作のテレビアニメです。
前半のアニメパートには実際の多治見市の風景や施設が多く登場し、後半の実写パートではメインキャラを務める声優たちが、ゆかりの地域や施設を訪問したり、アニメのメインテーマでもある「陶芸」に挑戦しています。作品を通して多治見市の魅力を広くアピール、地域振興に大きく貢献したことが受賞理由です。
授賞式に登場した日本アニメーションの手塚健一プロデューサーは「もともと多治見市出身の若手社員から立ち上がった企画で、制作のかなり早い段階から地元の方に協力をいただき、放送前から町中にポスターを貼っていただくなど、かなり協力していただきました。地元の方と一緒に作り上げた作品です。この作品を通じて地元を盛り上げたいという気持ちで作っていました」と思いを語りました。
自治体も注目、声優を活用したプロモーション
このような「ご当地アニメ」で地域の観光・経済振興に乗り出す官公庁、地元企業は年々増えています。また、「声優」の方にフォーカスするプロモーション例も多々あります。
最近の例では、2023年3月に、人気声優の小野大輔さんが高知県出身であったことから、小野大輔さんをパーソナリティとして起用したラジオ特番『小野大輔の高知(こっち)来いよ!』が文化放送および高知放送で放送されました。
番組サイト(https://www.rkc-kochi.co.jp/rkcweb/kocchikoiyo_1)
声優に強い文化放送
今回の「声優アワード」も受賞声優の多くが、番組パーソナリティを務めるなど、文化放送とつながりがあります。
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