GRPとPRPの違いとは? 算出方法とともに解説
テレビの視聴率は、民間の企業によって計測されています。テレビCMを出稿した場合、その調査結果をもとに効果測定を行うのが一般的ですが、視聴率の概要や計測方法を押さえておけば、自社で行う広告効果測定の参考になります。
視聴率の計測方法を把握するためには、GRP(世帯視聴率)と、PRP(個人視聴率)について知っておくことが重要です。
目次[非表示]
- 1.1.GRPとPRPの違い
- 1.1.GRP(世帯視聴率)
- 1.2.PRP(個人視聴率)
- 2.2.GRPとPRPの算出方法
- 2.1.GRP(世帯視聴率)の算出方法
- 2.2.PRP(個人視聴率)の算出方法
- 3.3.PRPは2種類に分けられる
- 3.1.①区分ごとの個人視聴率
- 3.2.②コア視聴率
- 4.4.まとめ
本記事では、GRPとPRPの概要とあわせて、それぞれの算出方法を解説します。
1.GRPとPRPの違い
GRP(世帯視聴率)とPRP(個人視聴率)は、どのくらいの世帯・人数がテレビを視聴したかを知るための指標です。なお、GRPとPRPとでは、視聴率を計測する対象が異なります。
広告効果測定でも扱う指標なので、ここで把握しておいてください。
GRP(世帯視聴率)
GRPとは、テレビを所有している世帯を対象とした視聴率のことで、特定の時間帯に、どのくらいの世帯がテレビを点けていたのかを示す割合です。
あくまでも世帯数が基準のため、視聴人数まで計測することはできません。また、テレビを点けていても実際に視聴しているかどうかまでは把握できないため、GRPによる正確な視聴率の計測は難しいとされています。
GRPの計測方法はいくつかありますが、主に用いられているのが、オンラインメータシステムです。オンラインメータシステムとは、対象世帯のテレビに測定器と通信機を設置して、視聴状況を秒単位で計測する方法で、得られたデータは電話回線を通して集計します。
PRP(個人視聴率)
PRPは、世帯ごとではなく、個人ごとの視聴率を計測したものです。世帯のうち4歳以上の視聴者を対象に、誰がどのくらいテレビを観ていたのかがわかります。
以前までは、GRPを計測することが一般的でしたが、近年はPRPを計測する方法が主流になりました。
PRPの計測では、ピープルメータシステムを用います。ピープルメータという測定器を調査対象の世帯のテレビに設置することで、個人ごとの視聴率を計測する方法です。PRPのデータを収集するためには、視聴者がテレビを視聴するたびに、リモコンで性別・年齢・職業などの情報を入力する必要があります。これにより、詳細な視聴率データを収集できるというわけです。
2.GRPとPRPの算出方法
GRPとPRPの概要が理解できたところで、ここからは、それぞれの算出方法を解説します。
GRP(世帯視聴率)の算出方法
GRPは、“テレビを観ている世帯数÷総世帯数”で算出します。その際、1世帯が複数のテレビを所有し、同時に同じ番組を視聴していたとしても、カウントは1世帯分のみです。
テレビCMのGRPを算出する場合は、テレビCMを放送した時間帯の視聴率を合算することで求められます。例えば、毎日1本テレビCMを放送して、1週間分のGRPを計測するとします。日曜日から土曜日までの視聴率がそれぞれ5%だった場合、この期間中のGRPは35%になるということです。
PRP(個人視聴率)の算出方法
PRPでは、調査対象の世帯のうち何人がテレビを視聴したのかを割り出すため、“視聴した人数÷調査対象の世帯の総人数”で算出します。例えば、100世帯400人のなかで、10人が視聴した場合、PRPは2.5%です。
視聴率は、個人単位で計測するPRPのほうが、世帯ごとにカウントするGRPに比べて、数値が低くなる傾向があります。なぜなら、GRPでは3人世帯の1人のみが視聴しても1世帯とカウントされますが、PRPでは母数が総人数なので、一人ひとりの視聴率を計測するからです。
3.PRPは2種類に分けられる
個人視聴率であるPRPは、年齢や性別などで区分した視聴率と、購買意欲が高い層の視聴率であるコア視聴率の2種類に分けられます。広告効果測定を行う際にも参考になる内容に触れているので、ぜひご覧ください。
①区分ごとの個人視聴率
PRPの場合、個人ごとに視聴率を計測するため、性別や年齢で区分して視聴率を確認することが可能です。
以下で、区分ごとの個人視聴率をご確認ください。
▼区分ごとの個人視聴率
区分 |
対象の性別・年齢 |
M1層 |
男性20~34歳 |
M2層 |
男性35~49歳 |
M3層 |
男性50歳以上 |
F1層 |
女性20~34歳 |
F2層 |
女性35~49歳 |
F3層 |
女性50歳以上 |
C層、またはK層 |
男女4~12歳 |
T層 |
男女13~19歳 |
視聴者の区分ができるようになったことで、どの時間帯にどの層がテレビを視聴していたのかが明確になり、ターゲットを絞った広告宣伝が可能になりました。例として、自社の商材のターゲットが30代の男性なら、その対象の視聴率が高い時間帯にテレビCMを流すことで、より効果的にアピールできます。
広告効果測定を行う際にも、区分ごとの個人視聴率を押さえておくと、ターゲティングに基づいた詳細なデータを効率的に収集できます。
②コア視聴率
コア視聴率とは、商品やサービスの購買意欲が高い層の視聴率のことです。13~49歳までが該当し、先述した区分でいうと、T層とM1層からM2層、F1層からF2層を指し、コア層とよばれます。
幅広い年代から構成されるコア層のなかには、ファミリー層が多く、家族でテレビを視聴していることが予想されます。コア視聴率の高い時間帯に広告を出稿すれば、購買意欲が高い層に一気にアプローチできるというわけです。その際、幅広い年齢層の視聴者が目にすることになるので、誰が観ても商品やサービスの魅力が伝わるようなテレビCMが制作できれば、より高い宣伝効果が望めます。
広告効果測定においても、コア層の反響が芳しくない場合、さらにファミリー層を意識したテレビCMを制作するなどの対策が必要です。
4.まとめ
この記事では、GRPとPRPについて、以下を解説しました。
- GRPとPRPの違い
- GRPとPRPの算出方法
- PRPは2種類に分けられる
GRPとPRPは、調査対象が世帯なのか、個人なのかという点が異なります。近年ではPRPの計測が主流となっており、GRPに比べてより詳細な視聴率のデータを得ることが可能です。PRPの区分ごとの視聴率やコア視聴率の調査結果を活用することで、ターゲティングに基づいた、より正確な広告効果測定が可能になります。
GRPとPRPの違いを把握し、双方の概要を押さえて、自社の広告運用に活かしてください。
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