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【音声CMの勝ちパターン】130件の分析データで見えた「効果が出るクリエイティブ」とは。

「どのようなクリエイティブを作れば、確実にブランドリフト(認知や購買意向の向上)につながるのか?」

文化放送には、地上波ラジオCMやデジタル音声広告への出稿をご検討中の企業の担当者様から、このようなご相談をよくいただきます。

音声メディアへの注目が高まる一方で、バナー広告や動画広告とは異なる「音だけの訴求」にハードルを感じ、クリエイティブの「正解」を模索されている担当者様は少なくありません。

そこで今回は、その「正解」を導き出すヒントとして、株式会社radikoが発表した興味深い分析レポートをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.「効果」と「クリエイティブ」を突き合わせた、130件の徹底分析
  2. 2.「知られている商品」と「知られていない商品」の戦い方は違う
    1. 2.1.既に有名な商品(認知度が高い)
    2. 2.2.これから広めたい商品(認知度が高くない)
  3. 3.データが実証した「音声CM」3つの勝ち筋
    1. 3.1.「歌」よりも「語り」が強い
    2. 3.2.「1秒あたり3〜5文字」の法則
    3. 3.3.文化放送の視点:なぜ「このテンポ」が効くのか?
  4. 4.「ラジオらしさ」こそが最強の武器
  5. 5.まとめ:データを活用した「態度変容を促す」音声CMを

「効果」と「クリエイティブ」を突き合わせた、130件の徹底分析

今回ご紹介するのは、2024年10月までに実施された約130件の「radiko audio Ad」出稿キャンペーンに対する radikoサーベイを横断分析して得られた興味深い発見です。

蓄積されたブランドリフトデータを俯瞰することで、音声広告ならではの効果を高めるための具体的なポイントが明らかになりました。

まず前提として、「radikoサーベイ」自体は、CMの好き嫌いを問うクリエイティブ調査ではありません。

広告を耳にした(接触した)リスナーと、接触していないリスナーを比較し、広告によって「認知度」や「利用意向」がどれだけ向上したか(=ブランドリフト)を定量的に計測する、厳密な効果測定プログラムです。

今回のレポートの特筆すべき点は、株式会社radikoが、この「サーベイによって算出されたブランドリフト値(広告効果)」と、実際に配信されたCMクリエイティブの要素をメタデータ化し突合させたことにあります。

CMのタイプはナレーション型か楽曲型か、話者は男性か女性か、文字数はどれくらいか…。

こうしたクリエイティブの構成要素と、実際に出た効果数値を掛け合わせることで、感覚論ではない「実際に数値を上げた音声CMの共通項」が浮かび上がってきました 。

文化放送では、地上波ラジオCMのほか、今回の調査対象である運用型デジタル音声広告「radiko audio Ad」の販売・運用も行っております。

デジタル領域で得られたこの客観的なデータは、デジタル活用はもちろんのこと、地上波ラジオCMの制作においても成功確度を高めるための重要な指針となります。

この130件のキャンペーンデータが実証した、リスナーの心を動かす「音声CMの鉄則」とは何でしょうか。

「知られている商品」と「知られていない商品」の戦い方は違う

音声CMの効果を最大化するためには、まず自社商品の「現在地」を知ることが重要です。今回の横断分析データを読み解くと、商品の「商品力(元々の認知度)」によって、狙うべき効果が明確に分かれることが確認できました。

既に有名な商品(認知度が高い)

「利用意向」がリフトしやすい傾向にあります。名前を知っているブランドの声を耳元で届けることで、「使ってみよう」という最後のひと押しが可能です。

これから広めたい商品(認知度が高くない)

「認知率」のリフト幅が大きくなる傾向が見られます。音声メディアは、まだ知られていない商品の名称を刷り込む初期フェーズに非常に適していると言えます。

「認知」を取りたいのか、「購買」を促したいのか。データは、フェーズに合わせた目標設定の重要性を物語っています。

データが実証した「音声CM」3つの勝ち筋

では、具体的にどのようなクリエイティブ(CR)がリスナーの心を動かすのでしょうか。効果データとクリエイティブ情報を突合して見えてきた傾向は、私たちが普段、ラジオ局として感じている肌感覚とも一致する、非常に興味深いものでした。

「歌」よりも「語り」が強い

インパクト重視の「オリジナル楽曲型」も人気ですが、ブランドリフト(認知や興味関心の向上)という実益の面では、情報をしっかり伝える「ナレーション型」の方がパフォーマンスが高いという結果が出ています。

さらに、ナレーションのタイプ別に見ると、以下の順で効果が高い傾向にあります。

【効果的なナレーションの傾向】

  • 女性ナレーション(最もリフトしやすい)
  • 複数人での掛け合い
  • 男性ナレーション

また、「BGMあり」の方が、無音等に比べてパフォーマンスが高いこともデータとして裏付けられています。ターゲットにもよりますが、女性の声や掛け合いによる「語り」のアプローチは、地上波・デジタル問わず、音声CMの王道と言えるでしょう。

「1秒あたり3〜5文字」の法則

限られた秒数で多くの情報を詰め込みたくなるものですが、それは逆効果になりかねません。

分析結果によると、推奨される文字数は「1秒あたり3〜5文字程度」。
これを超えて言葉数が多すぎると、どの指標においてもリフトにつながりづらい傾向があります。

「間(ま)」を恐れず、適切なスピードで聞き手に届ける。これは私たちラジオ局がCM制作において長年大切にしてきた基本でもありますが、データもその重要性を支持しています。

文化放送の視点:なぜ「このテンポ」が効くのか?

今回の調査結果が示唆する、ナレーションと適切な情報量がもたらす効果は、まるで、「パーソナリティーが直接耳元で話しかけてくれるような、親密な会話」に似ています。

情報が多すぎたり、CMらしく装いすぎたりすると、会話が途切れてしまい、聞き手の心には届きません。

ラジオを聴くという親密な空間において、3〜5文字/秒という推奨ペースは、聞き手が無理なく受け止められる「心地よい会話のテンポ」と言えるでしょう。

このテンポと、親近感のあるナレーション(特に女性や掛け合い)が相まって、リスナーの態度変容を引き出すのです。

「ラジオらしさ」こそが最強の武器

今回の分析において、最も効果を発揮するクリエイティブの共通点。それは、「radikoでラジオを聴いている」というリスナーの気分に寄り添ったものです。

具体的には、以下のような演出が高い効果を上げています。

・ラジオパーソナリティが語りかけてくるようなトーン
・ラジオ番組の一幕のような掛け合い

これらは、リスナーがメディアに接している時の「モーメント(瞬間・心理)」に合致しているため、広告としての違和感が少なく、自然と好意的に受け入れられます。

これはラジコ上の広告に限った話ではありません。地上波ラジオにおいても、「番組の流れを断ち切らない、ラジオコンテンツの一部のようなCM」を作ることこそが、結果としてブランドリフト効果を高める鍵となるのです。

まとめ:データを活用した「態度変容を促す」音声CMを


株式会社radikoの分析データを通して見えてきたのは、奇をてらった演出よりも、「適切なスピードで」「親しみやすい声で」「ラジオの文脈に合わせた」クリエイティブの強さでした。

Z世代を中心に、音声メディアへの回帰が進む今 、音声CMは非常に有力なマーケティングチャネルです。しかし、ただ音声を流すだけでは効果は半減してしまいます。メディアの特性を熟知し、データに基づいた「勝ちパターン」に沿って制作することが成功への近道です。

文化放送では、こうした最新のデータ知見と、長年のラジオ局としての制作ノウハウを掛け合わせ、地上波ラジオCMおよび「radiko audio Ad」の効果的なプランニングやクリエイティブ制作をご提案しています。

開局以来培ったタレント・声優のキャスティング力や、ACC賞など数々の受賞歴を持つスタッフによる「音の演出力」は、文化放送の大きな強みです。

また、コピーライティングから収録、さらにはSpotifyやポッドキャストなどのデジタル音声広告への展開まで、ワンストップでサポート可能です。「まずは話を聞いてみたい」という場合も、お気軽にご相談ください。

データ引用元:株式会社radiko「202501_radikoサーベイ(BLS)_横断分析ファインディングス」(2025年1月)


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