東亞合成株式会社

商品検索数が5倍に増加!
Z世代向け「アロンアルフア」ラジオ広告戦略

東亞合成株式会社
アロンアルフア事業部 コンシューマ部
田中 莉那 氏
中川 景介 氏


東亞合成株式会社(以下、東亞合成)は、テレビCMでおなじみの家庭用瞬間接着剤「アロンアルフア」、苛性ソーダなどの基礎化学品、ポリマーやオリゴマーなど、さまざまな化学製品を製造・販売しています。

アロンアルフアは発売から半世紀以上のロングセラー商品ですが、若年層への商品の認知度向上が課題です。

そのため、テレビCM以外のプロモーション活動も積極的に展開しています。今回、その一環としてラジオ番組を提供しました。

若年層へのアプローチとしてラジオ施策を導入した背景やその成果について、アロンアルフアの広告を担当する同社アロンアルフア事業部 コンシューマ部の田中氏と中川氏にお話を伺いました。

田中 莉那 氏 

東亞合成株式会社 アロンアルフア事業部 コンシューマ部

マーケティングおよび新商品企画を担当。SNSやデジタル関連のマーケティング企画を立案、ラジオ企画にも携わる。家庭用製品「アロンアルフア」シリーズの新商品については、商品のアイデアからパッケージデザインまで全般を担当。

中川 景介 氏 

東亞合成株式会社 アロンアルフア事業部 コンシューマ部

主にテレビ関連の広告業務を担当。そのほか展示会等イベント出展の統括、生産・出荷管理を担当。展示会では一般消費者や業界関係者への製品体験を提供し、PR活動を推進。販売会社との調整を通じて、製品の効率的な市場供給業務も担当。

 最初に、アロンアルフアの商品概要と購買層について、教えてください。

中川景介氏(以下、中川):アロンアルフアは、家庭用製品ジャンルの瞬間接着剤です。特徴は、何といっても、強力に秒単位で接着する点です。

お子様からシニアまで幅広い世代にご利用いただいており、何十年も使い続けているユーザーが多い商品です。

現在は、接着剤のはみ出した部分をライトで固める新商品「アロンアルフア 光」のプロモーションに注力しています。

アロンアルフア 光

Z世代を狙う!テレビからウェブ、ラジオへ広告戦略をシフト

広告メディアの選定基準は、どのように行っていますか。

田中莉那氏(以下、田中):ターゲットごとに、メディアを選んでいます。

まず、テレビCMは全世代への認知度を維持するために実施しています。

若年層(10代から30代前半)は、テレビCMの出稿量を若干見直し、主にYouTubeやSNSなどを選んでいます。

特に2018年からは、YouTubeでウェブCMを大々的に実施しています。このウェブCMが若年層に話題になり、効果を上げました。

さらに、趣味活動でご利用いただいている「ニッチ層」へは、さまざまな取り組みをしています。

たとえば、プラモデル・ラジコン模型・鉄道模型などの模型玩具の製品見本市に出展したり、コスプレイヤーが読むようなカルチャー雑誌に広告を掲載しています。

最近は、ハンドメイド・アクセサリーを趣味の方に向けて、アクセサリー作家さんのノウハウを記事にして、オウンドメディアで発信したりしています。

このように、ターゲットごとに適切なメディアを選びながら、アロンアルフアの魅力を伝えています。
東亞合成 田中氏

テレビCMの出稿量を見直した背景は、何だったのでしょうか。

中川:過去、テレビCMを中止していた時期があり、その際のブランド調査で、明らかにアロンアルフアの認知率が下がりました。

認知率のさらなる低下を防ぐために、テレビCMを再開しました。しかし、再開後のブランド調査では、若年層の認知率の低下が目立ちました。

これをきっかけに、テレビCMに偏っていた広告予算を少しずつ見直し、若年層にリーチできるメディアに予算をシフトしています。

ー SNSはどのように活用されていらっしゃいますか。

田中:現在、X(旧Twitter)とTikTokの2つのプラットフォームを活用しています。

Xでの情報発信は長期間続けています。自社の情報を共有するだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションツールとしても活用しています。

TikTokは今年の4月から運用を開始しました。アカウントを開設してからまだ3か月ですが、積極的に投稿を続けています。

人気のある動画を参考にしたり、面白いコンテンツの制作に重点を置いています。若年層にアロンアルフアを身近に感じてもらうことを目指しています。

 若年層への認知度向上の取り組みについて、どのようにお考えでしょうか。

田中:若年層の認知度を上げるよりも、商品への理解度を高めるプロモーションを目指しています。

具体的には、アロンアルフアに「何かを直す・補修する」というイメージをもってほしいのですが、それに加えて「何かを作るためのもの」というイメージも持ってほしいと思っています。

この課題解決のため、広告会社に「商品名を露出するだけではなく、興味を引き、理解を深める施策」の相談をしていました。

また、当初から雑誌やラジオをメディアの一部として検討していました。私自身もラジオをよく聴くので、「ラジオでのプロモーションも検討したい」と考えていました。

ー 若年層の商品の理解度を上げてもらうには、テレビCMだけでは難しいということですね。

中川:そうですね。若年層はテレビをあまり観ない傾向があり、15秒や30秒の短いテレビCMでは、商品の特徴を十分に伝えるのは難しいです。

そのため、テレビ以外のメディアで若年層に商品理解を深める施策がないか、広告会社にいろいろ相談していました。
東亞合成 中川氏

ラジオ2局「驚き」のコラボ!アロンアルフアが「くっつけた」特別番組

ー それでは、文化放送との取り組みについて伺います。

これまでに2つの取り組みを実施されていますが、まず、一つ目の「文化放送とニッポン放送がコラボした特別番組」についてお聞かせください。この番組の提供を選ばれた理由は何でしょうか。

田中: 特別番組『マネージャー対抗 乃木坂野球部交流戦!』は、文化放送とニッポン放送が局の垣根を越えてコラボし、若年層に人気のタレントが出演する番組だったので選びました。

番組のテーマと出演者を連動させたラジオ番組を2局がそれぞれ制作し、同時に放送することで、リスナーが驚き、面白いと感じてもらうことができ、商品PRにつながると思いました。

従来より、アロンアルフアの広告クリエイティブでは「驚き」をキーワードにしています。

この企画には商品のキーワードの「くっつく」と、この「驚き」という要素が含まれており、それが重要なポイントでした。この企画なら、若年層をターゲットにしたプロモーションとしてラジオ施策に挑戦できると判断し、実施を決めました。
特別番組『マネージャー対抗 乃木坂野球部交流戦!』

広告会社の「ラジオ2局をアロンアルフアがくっつける」というアイデアがきっかけで、コラボ番組が誕生。

文化放送とニッポン放送がコラボした特別番組『マネージャー対抗 乃木坂野球部交流戦!』。乃木坂46のメンバーが推し球団の魅力を9つのテーマでプレゼン対決する特別番組。東亞合成は、アロンアルフアで冠提供。

パーソナリティには、各局のナイター中継の公式応援マネジャーを起用。文化放送は埼玉西武ライオンズファンの乃木坂46・向井葉月、ニッポン放送は東北楽天ゴールデンイーグルスファンの乃木坂46・久保史緒里が担当。

番組内容は、「くっつく」にちなんだテーマでのプレゼン、野球トーク、リスナーとの交流、楽曲紹介など。[

放送日時: 文化放送 2024年5月16日 19:00-20:00、ニッポン放送 5月18日 19:30-20:30

(画像は文化放送の番組バナー)
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ー この企画の最初の印象はいかがでしたか。

田中:最初に広告会社の担当者からご提案をいただいた際、正直言って驚きました(笑)。

普段からラジオを聴いていますが、文化放送とニッポン放送がコラボする番組は聞いたことがなかったからです。

実は、ラジオを聴いている社員からも「本当にコラボできるの?」という反応がありました。

私自身もご提案をいただいたとき、「これ本当ですか?」と思わずつぶやいてしまったほどでした。

その言葉が「(私が)半信半疑」という印象を与えたようで、2度目の提案資料には、文化放送とニッポン放送の営業の方が仲良く握手する写真が添えられていました(笑)。

その写真を見て、ラジオ局と広告会社の熱意が伝わり、実施したいという気持ちが一層強くなりました。

東亞合成 田中氏

SNSで反響、「アロンアルフア」の検索数が5倍に!

放送後、具体的な成果はございましたか。

田中:番組の聴取者数が多く、良い結果を得られました。

放送後、番組関連のXの投稿やハッシュタグなどを分析しました。これまでのXの投稿より明らかにエンゲージメントが高く、Xでのリーチも良好な成果でした。

Xで多くの反応を得られたことは非常にありがたく、普段の投稿では得られない「いいね」やリポストをたくさんいただけたので、特に嬉しかったです。

また、成果としては、「アロンアルフア」をウェブ検索してくれた方が通常の5倍に増加しました。これはこのラジオ特番と同時期に出展したイベントの効果ですね。

今後も、「くっつく」をテーマした「驚く」のある企画をやっていきたいですね。

特番告知の投稿画面(文化放送広報のXアカウント)​​​​​​

ラジオで継続的なPR、パーソナリティの活用がポイント!

次に、2つ目の施策『レコメン!』のコーナー提供について伺います。実施の理由を教えてください。

田中:2局のコラボ特番で良好な成果を上げたため、引き続き若年層向けのラジオプロモーションを展開したいと考えました。次は、特番のような単発ではなく、継続的なプロモーションを目指しました。

広告会社から複数の提案をいただき、その中から文化放送のZ世代向けのラジオ番組『レコメン!』を選びました。

選んだ理由は、若年層のリスナーが多いこと、また、コーナーで継続的にPRできる点もです。さらに、『レコメン!』のパーソナリティは若年層に人気があり、彼らの力を借りて商品のPRができることも決め手となりました。

『レコメン!』なら、若年層がアロンアルフアにもっと興味をもってくれると思い、ご一緒したいと思いました。
『アロンアルフア presents アロン葵汰のレコメン!』

『アロンアルフア presents アロン葵汰のレコメン!』は、パーソナリティの駒木根葵汰(きいた)が『アロン葵汰』に扮して「くっつく」をテーマに、リスナーの名場面やお題に基づいたラジオドラマを紹介するコーナー。

若年層をターゲットにし、リスナーからのメッセージや企画参加者にはオリジナルプレゼントを用意。

 

毎週月曜日午後11時30分頃から10分間、文化放送の『駒木根葵汰の『レコメン!』』内で放送中。

 

 番組サイト https://www.joqr.co.jp/lp/aronalpha_reco/ 

番組バナー(写真は、パーソナリティの駒木根葵汰)

ーラジオのコーナーでは、どのようなプロモーションを行っていますか。工夫されている点がございましたら、お聞かせください。

田中:『レコメン!』のコーナーでは、「提供クレジット(商品名)の読み上げ」、「ラジオCM放送」、「商品を想起させるオリジナルコーナー」、そして直接的なプロモーションができる「インフォメーション」を実施しています。

具体的には、コーナーでは単にラジオCM放送だけでなく、リスナーが自然に受け入れられるよう「うまく商品を落とし込み、面白くする」内容にしていく工夫をしています。この内容については、番組側のアイデアに期待したいと思っています。

次に、提供クレジットについては、パーソナリティの方々に読んでもらうことにこだわりました。

なぜなら、自分の好きなパーソナリティがクレジットを読むと、リスナーの商品への良いイメージが強化されますし、パーソナリティの声で商品名が耳に残るからです。この効果で、商品の認知度を上げたいと強く思いました。

インフォメーションでは、伝えたいことをしっかりPRしています。番組内でパーソナリティがPR原稿を読んでくださるので、リスナーにしっかりと伝えることができます。

また、ラジオCMもこだわり、面白さがあり、しっかりPRできるように制作しました。

初回放送(7/1)をスタジオで見学されましたが、印象はいかがでしたか。

田中:本当にすごく楽しかったです。パーソナリティの駒木根葵汰さんが、面白く、きちんとアロンアルフアについてPRしてくださいました。

駒木根さんがコーナーで演じていた『アロン葵汰』もアロンアルフアの商品のイメージと合っていました。リスナーからメールもたくさんいただいて、本当に良かったです。

中川:本当に貴重な経験をさせてもらいました。コーナーの放送は10分間でしたが、あっという間でした。駒木根さんを含め、スタッフの皆さんもたくさん笑っていて、スタジオ見学していた私たちも、とても楽しめました。

放送を見学しながら、Xでのリスナーの反応も少し見ていたのですが、リアルタイムで投稿やリプライしてくれました。

『レコメン!』と一緒にこのような取り組みができて、本当に良かったなと感じました。

ーここで話題が変わりますが、ラジオCMの制作の過程で感じたことなど、ぜひお聞かせいただけますか。

田中: ラジオ放送に向けて、今回は2種類のラジオCMを制作しました。

一つは、男女2人の声優を起用したCMで、もう一つは、雑誌広告でもお世話になったコスプレイヤーの『七星めろん』さんが出演するCMです。

私自身、ラジオCMの制作は初めてだったので、「音だけのCMはすごく難しいな」と感じました。伝わるようにシンプルな表現にしつつ、耳に残る演出を求められるからです。しかし、その難しさが「音声CMの面白さ」なんだと実感できました。

文化放送のスタジオでCMを制作している際に、CMディレクターや声優の姿を見て、「プロだな」と感じました。特に、声優は声だけで演じ、表現する場面に立ち会い、とてもすごいなと思いました。

完パケ編集では、CMディレクターが、声優の言葉と言葉の間隔を少し空けたり詰めたりする作業を行っていました。この間隔を調整することで、CMの印象が大きく変わるんですよね。これは貴重な体験でした。

最後に、リスナーとしての視点から、ラジオの魅力や今後の期待について教えてください。

中川:私はもともとあまりラジオを聴いていなかったのですが、田中の影響でよく聴くようになりました。ラジオにどんどんハマっていき、今では通勤中もずっと聴いています。

さまざまなラジオ番組がありますが、俳優さんや芸人さんを含めて楽しい番組がたくさんあります。これからも面白い番組を作っていただけたら、リスナーとしてとても嬉しく思います。

田中:私は、ラジオを昔からすごく聴いていました。私は、MDに録音したものを通勤中に聴いていました。今は、ラジコアプリで、簡単にいろんな番組を聴けるので、私もリスナーの一人としていろんな番組を聴いていきたいなと思います。

これからも、面白い番組がたくさん放送されるのを楽しみにしています。

田中様、中川様 ありがとうございました。


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